大相撲の横綱・白鵬関が北海道滝川市と協力して、寒冷な母国のモンゴルで稲作の普及を目指す「白鵬米プロジェクト」を来月、スタートさせる。白鵬関は6月中旬、滝川市の観光大使に就任する予定で、出身地のウランバートル市と農業を通じた交流が本格化する。白鵬関は「生まれ故郷と横綱に育ててくれた日本の橋渡しをしたい」と話している。
モンゴルは、小麦の栽培や、羊の肉・乳製品の生産など牧畜が盛んな農業国だが、米も主食の一つ。しかし、稲作は「寒冷で乾燥した気候や設備のコスト面から難しい」(モンゴル大使館関係者)との理由から普及しておらず、中国などからの輸入に頼っている。
滝川市は、元ホテルマンで観光ビジネス論を専門にする拓殖大講師の出村明弘さんをアドバイザーに指名し、魅力ある街づくりに取り組んできた。出村さんは札幌市のホテルで数多くのイベントを手掛け、そこで培った人脈を通じて白鵬関と親交があった。市の振興策として今回の交流を思いつき、白鵬関に持ちかけたところ意気投合。白鵬関は市の観光大使への就任を快諾し、モンゴルの政府機関やウランバートル市への働き掛けを引き受けてくれた。
滝川市によると、滝川市のJA関係者らが現地に行き、寒冷地に適した滝川市の品種を使い稲作技術を指導。同時にモンゴルの若者を農業研修生として滝川市に受け入れて米作りを学んでもらう。
交流は農業のほか青少年育成などの分野にも及ぶ。夏場所終了後の6月上旬に、田村弘市長ら幹部がウランバートル市を訪問、白鵬関も同席して、覚書を交わす。
白鵬関は「自分たちで、日本のようなおいしい米を作れるようになれば、モンゴルの子供たちに夢や誇りを与えられる。食糧事情の安定にもつながる」と意欲を見せている。出村さんは「滝川市のブランドも高まり、観光振興や経済活性化につながる」と期待している。【小泉大士】
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